プロセス

家づくりの進め方

設計の相談を受けてから、建物が竣工するまでを木造住宅の新築を想定してまとめました。他のケースでもおおむねこのように進みます。
設計にかかる時間はだいたい3~6ヶ月ぐらいですが、できるだけ建築主さんの都合に合わせるようにします。
工事にかかる時間は、建物の構造や規模によって違いますので、個別にお話していますが、一般的な木造2階建て住宅で6ヶ月ぐらいです。

設計  相談  初めてお会いする方とのお見合いみたいなもので建築に対する希望、予算、建築時期、家族構成等をお聞きします。
 私の仕事の進め方、建築に対する考え方等 ざっくばらんに話し合ってお互いの考え方を理解しあえるようにします。  
  
 調査  実際に建設地を見せていただき、敷地の形状、高低差、道路の状況、周囲の環境等を把握します。
 官庁等で、法規制等のチェックをおこないます。
  
 基本計画
プレゼンテーション
 希望内容、予算、法規制等を考慮して、計画案を作成しプレゼンテーションを行ないます。
 さらに希望をお聞きし計画案を修正していきます。
  
 設計契約  お互いの考え方が理解しあえ、納得できた時点で設計・監理契約を結んでいただきます。
  
 基本設計  基本計画を基にさらに細かい内容について希望をお聞きしながら、実施案に近づけていきます。
 平面図、立面図、断面図等の図面のほかに模型やCGやスケッチを利用してイメージを確認します。
 必要に応じてショールーム等に行き実物を見ながら検討します。
 資金計画、スケジュールについて、つめていきます。
  
 実施設計  基本設計を基に、工事業者が見積もりしたり実際に施工するのに必要な詳細な図面を作成します。
 図面については意匠図、構造図、電気設備図、給排水設備図等の図面があり、これを作成します。
  
 申請  計画内容が確定した時点で建築確認申請を行います。
 その他に必要な申請等があればこれを行ないます。
  
 見積り  完成した設計図を工事業者に渡し見積りを依頼します。
 基本的には競争入札(3~5社程度から見積もりをとって比較して決定する方法)を行ないます。
 状況によっては信頼できる1社から見積りをとって話し合いながら金額をつめていく方法もあります。
 どのようにするかは建築主と話し合って決めます。
  
 業者決定  提出された見積書の内容が適正かどうかチェックします。
 希望予算にあうように調整を行いながら、工事業者、請負金額、工期、支払い条件等を決定します。
  
工事監理  工事契約  建築主と工事業者のあいだで工事請負契約を結んでもらいますが、設計事務所がこれに立会います。
  
 地鎮祭  神主さんに工事の安全を祈願してもらいます。(神主さんへのお礼、お供え物等が必要になります。)
 近隣への挨拶を行ないます。
 この時に建物の位置を確認することが多いです。
  
 着工  工事が始まったら設計者は工事が図面どうりに行われているか監理します。
 基礎配筋等後でかくれてしまう部分を重点的にチェックします。
  
 上棟  日柄の良い日に上棟(建前)を行ないます。
  
 中間検査  屋根が葺けて、耐力壁がついた段階で検査機関へ中間検査の申請を行い中間検査を受けます。
 (設計事務所が立ち会います。)
  
 内外装工事
 外構工事
 実際に使用する材料(外装材、内装材)の種類や色、設備機器、照明器具等を建築主さんの希望を聞きながら決定していきます。
 途中で変更したくなった場合は、予算や工期への影響を明確にして進めトラブルがおきないようにします。
  
 完了検査  工事が完了したら検査機関へ完了検査の申請を行い完了検査を受けます。(設計事務所が立ち会います。)
 関係者(建築主、設計事務所、工事業者)立会いの上検査を行い不具合があれば手直ししてもらいます。
  
 竣工・
 引渡し
 建物が完全な状態になったら工事業者から建築主への引渡しが行なわれ設計事務所が立ち会います。
 工事監理報告書等の書類を引渡します。
 設備機器等の使用説明がおこなわれますので、これに立ち会います。
  
 引越し・入居  入居後も不具合等がある場合はこれに対応します。


工事の進み方の実例

着工から完成までの工事の進み方の実例です。

KD邸
住宅+車庫  木造・2階建
無垢の木と自然素材にこだわっています

YG邸
住宅  木造・2階建
2階に設けられた居間には、薪ストーブが据えられます

N集会所
集会所  木造・平屋建
神社の境内地に建つ、地域の町民のための集いの場です

設計にあたって考えること

設計にあたってどのようなことを打合せしたり調べたりするかを人・土地・建物の3つの要素に分けて書き出してみました。

[人―年齢]
家族は年がたつにつれてそのライフスタイルが変化していきます。
今から5年後、10年後、20年後、30年後・・・に家族の年齢がどう変化していくのか考えておく必要があります。
実際には、あまり遠い将来のことはイメージしにくいし、人生は予定どうり進むものでもないのですが、せめて10年後くらい(生まれたばかりの子が小学校高学年になるくらい)はどうなっているか考えるべきかなと思います。
それをふまえて、現在の生活を楽しく充実したものにするためにどのような建物を用意しておくか考える必要があります。

[人―続柄]
家族構成が二世帯や三世帯になる(あるいは将来そうなる)場合はプライバシーをどの程度とるのか見極めることが重要です。
完全に分離して造るか?、風呂は一緒にするか?、食事は一緒にするか?、たまにみんなが集まれるスペースがあればいいか?・・・
考えることはたくさんあります。(ご主人の親か奥さんの親かによってもかわってきます。)
また、ペットを家族の一員と考える場合もあります。

[人―職業(学年)]
職業(学年)によって生活の様子(起床・就寝時間、帰宅時間、平日・休日のすごし方など・・・)は人それぞれです。
それぞれの生活がしやすい建物を考える必要があります。

[人―趣味、こだわり]
せっかく家を創るのですから、それぞれの趣味やこだわりをいかせるような家にしたいと思います。
車いじり、つり、野球、ガーデニング、パン作り、あみもの、読書、音楽など・・・いろいろあると思います。

[土地―形状・高低差など]
土地の形は長方形とはかぎらず変形していたり、高低差があったり、がけだったりすることがあります。
一見建物が建ちにくそうにみえる土地の場合は、その欠点を逆に利用した特徴のある計画をすることにより住みやすくすることが必要です。
(土地を買う人の場合、こういう土地は安く手に入ることが多いので、検討してみるのもよいのではないでしょうか。)

[土地―道路]
道路が狭かったり、交通量が多かったりする場合は車や人の出入りがしやすく危険のないような工夫が必要です。
また、いざという時の路上駐車ができないので、そのための対策を考えるのも必要だと思います。

[土地―周辺の状況]
周りに建物が密集している場合は、当然、隣家とのプライバシーを守るのと同時に光の採り方と風通しの確保が重要です。
逆に景色が良い場合は、その良さを活かした気持ちのいい空間造りが必要です。

[土地―雰囲気]
これは文章に表しにくいのですが、その土地に立った時に感じる雰囲気のようなものがあります。(こんな建物が建つべきなのでは・・・というようなこと)
実は、このことを感じとれるように(ちょっと大げさですが)神経を研ぎ澄まして土地を見てます。

[建物―全体の雰囲気]
建物のデザインを決める要素としては、屋根・外壁・内装(床・壁・天井)などの材料や色、質感などがあります。
言葉で表すなら、「シンプルな」とか「落ち着いた和の感じ」とか「自然素材(エコ素材)で」とかいろいろあると思います。
話し合いの中からめざす方向を決めていきます。

[建物―構造・規模]
要望や土地の条件、法的制約などを考慮して適切な工法を選択していきます。

[建物―予算・資金]
予算によって規模が決められることはよくあることです。
その場合、「予算が無いからあきらめる」部分もある意味必要ですが、むしろ「予算はないけどこれだけは実現させる」というようなところを見つけ出したいものです。

[建物―必要な部屋]
どのくらいの広さのどんな部屋が必要かをよく考えなければいけません。
それらを効率的な動線、使い勝手、プライバシー、通風、採光などさまざまな条件をクリアーしながら組み合わせていきます。